水酸化ナトリウム(NaOH)について解説する記事。苛性ソーダの物理的・化学的性質、用途、安全性に焦点を当てています。
水酸化ナトリウムとは
水酸化ナトリウム(NaOH)、別名苛性ソーダやソーダライ、は非常に基本的な化学物質です。無色の固体であり、多くの工業プロセスにおいて重要な役割を果たしています。水酸化ナトリウムは強アルカリ性を持ち、水またはアルコールに溶解すると高い熱を発します。
物理的性質
水酸化ナトリウムは、室温で固体として存在し、白色の顆粒状または塊状の形状をしています。融点は318度セルシウス、沸点は1388度セルシウスで、水への溶解度が非常に高く、その溶液は非常に吸熱的です。
化学的性質
水酸化ナトリウムは化学式 NaOHで表される強塩基です。水分子と反応して次のような反応式が表されます:
NaOH + H2O → Na+ + OH–
このように、水酸化ナトリウムは水に溶かすと陽イオン(Na+)と水酸化イオン(OH–)に分かれ、これが水のpHを大きく変化させる要因となります。
用途
- 製紙業界:木材をパルプ化する工程で使用され、紙の製造過程を助けます。
- 石鹸および洗剤の製造:脂肪酸と反応させて石鹸を製造するのに使われます。
- 水処理:水質を調整するために使用されることもあります。
- 食品産業:オリーブの処理やプレッツェルといった食品の製造にも使われます。
安全性と取り扱い
水酸化ナトリウムは非常に腐食性が高いため、取り扱いには細心の注意が必要です。皮膚や目に触れると重度のやけどを引き起こす可能性があります。そのため、適切な保護具を着用し、直接触れないようにしなければなりません。また、使用する際には十分な換気が必要です。
水酸化ナトリウムはその多様な用途と強力な性質から、多くの産業で不可欠な物質ですが、その危険性もよく理解し、適切に管理することが大切です。